ピアサポート

先日、以前勤めていた相談機関で一緒に働いていたAさんに、ある事業所で偶然会いました。そこでAさんと会うことは、まったく想像していなかったので、驚きと嬉しさがありました。

Aさんには、以前の職場でとてもお世話になりましたが、現在は、同じ分野で働いているとのことでした。これからも、Aさんはこの分野で活躍されることと思います。

ところで、そのAさんと働いていた相談機関では一対一の面接が基本的な支援でした。それ以外に集団で受講する講座も用意されていましたが、基本的には個別の面接が中心でした。

Aさんは、数年前から、個別の面接でも講座でもない、対象者同士の関わり合いによる支援方法を確立されていました。いわゆるピアサポートであり、ソーシャルグループワークであり、とても魅力的な支援方法でした。弱点としては、成果が出るのに少し時間がかかる点でした。

そのことから、当時の上司からは評価されていなかったように記憶しています。

カウンセリングなどの面接による個別の支援は、効果的であることも多いですが、限界もあります。その限界を補うものの一つが、同じ課題を抱えている仲間からのサポート(ピアサーポート)です。支援者からの意見はあまり素直に聴けない方も、先行く仲間からの助言は受け入れることができる場合があります。

今の職場に移ってからも、その点を意識することが多いですね。

インフォーマルな支援

先日、ある方の支援会議に出席したのですが、そこでインフォーマルな支援について考えさせられました。この方は、精神症状がありますが、日常生活は自身で行うことができ、仕事もしています。しかし、一人暮らしなので、なんらかの支援が必要であろうということで会議を行いました。

様々な支援を、医療サービスや公的なソーシャルサービスなどのフォーマルサービスと、それ以外をインフォーマルサービスに分ける考え方があります。コミュニティ心理学でも、このインフォーマルなサービスは大切であるとされていて、インフォーマルサービスも含めたマネジメントが求められます。

インフォーマルサービスには、知り合いや友達の支援や、近所のパン屋さんのかかわり、隣の家の犬など様々なかかわりがあります。

インフォーマルサービスを考える上で気を付ける点としては、フォーマルなサービスがしっかりと調整されていることや、インフォーマルなかかわりを持つ者の純粋な気持ちがあるかということです。支援者側の都合により支援を続けていることは、多くの場合、長い目で見ると支援にならないと考えます。

また、フォーマルなサービスを提供する機関が行う、本来のサービスを超えたサービスもインフォーマルな支援と考えられます。しかし、これはかなり問題であり、多くの場合、支援者側の過剰同一化などによって、本来の枠を超えた支援を行っているように感じます。

支援の必要がありながら、その支援が用意されていないのであれば、そのサービスを位置づけるようなかかわりを持つこと、つまりソーシャルアクションが求められます。個人的な思いで支援を行っていると、その支援者が支援できなくなる時に、継続的な支援ができなくなります。

支援の基本は、やるべき機関や支援者がその枠組みの中で、必要なだけ支援をするということです。そのうえで足りない部分や本人のニーズを充足するために、インフォ―マルサービスが組み込まれると良いと考えています。

2022年になりました

あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いいたします。

カウンセリング活動は、平成24年に精神科を退職してから行っておりますが、今年の10月で10年が経ちます。なんだか早いものですね。

しかし、歳はとりましたが、あまり自分が成長していないように感じます。今年は成長を感じられるように、研鑽していきたいと思います。

そして、細々とゆっくりやっていきたいと思います。

学校や職場での悩み事、家族のこと、就職のことなどの相談を受け付けております。

今年もよろしくお願いいたします。